アレイCGH、SNPアレイの紹介
アレイCGHとは、スライドグラスなどのプラットフォーム上にゲノム断片を連続的に貼り付けたゲノムアレイの上で
CGH (comparative genomic hybridization)を行い、ゲノムの微細な増幅や欠失を検出する技法です1)7)。
これまでにBAC (bacterial artificial chromosome)クローンのゲノム断片を用いたBACアレイ、oligo DNAを
用いたオリゴアレイなどといった種類のアレイが開発されていますが、このデータベースの作成に用いたのは、
当教室で運用しているBACアレイです (WGA-4500, WGA-15000)。
BACはゲノム中のリピート配列を含むゲノム断片においてもクローン化が可能であるため、高速シークエンサー等の他の
ゲノム解析手法では読み取りが困難であるリピート配列の多様性を効率よく検出できるという長所があります。
具体的には、患者と対照健常者から抽出したゲノムDNAを異なった色の蛍光色素で標識したのちに、
ゲノムアレイ上でハイブリダイゼーションし、蛍光スキャナで読み取ります。この蛍光強度の比を数値化してグラフ化することにより、
ゲノムコピー数異常を評価することが可能となります。
一方、SNPアレイはCNVだけではなく、片親性ダイソミーに起因するコピー数変化のないヘテロ接合性の喪失 (loss of heterozygosity; LOH)
を検出することができます9)10)。本データベースでは、illumina社のSNPアレイであるHumanOmniExpressを使用しました。
Reference